黒海での夏休み5ー正体不明の贈り物

  • 2012.07.27 Friday
  • 01:20
 
ヴァルナを発つ日、空港近くには多くの警察官が出て、通行規制をし、検問をしていた。
敷地へ近づくに連れて厳しく、進行が遅くなるそれに、私たちは時間を気にしながらも、
どうしようもなくワゴンバスに乗っていた。

2、30分で到着するはずだった予定が50分を回る頃、運転手のおじさんが手を伸ばして、
二人掛けの助手席の、目の前においてある携帯を手に取り、どこかへ連絡をし始めた。
たぶん、検問で予定より遅れている、すぐ近くまで来ているのに、というような内容なのだろう。
2度3度電話をしていると、外で規制誘導していた警官らしき人に何かを言われ、
「わかってるわかってる」というような返事を返していた。
検問の最中に携帯電話で連絡していることを、疑われたのだろうか。

再び手を伸ばして携帯を放ったその手が、ふと戻ったかと思うとスッと何かを掴んで、
そのまま手を戻しがてらに、隣に座っていた私のバッグに何かを落とし入れた。
「!どうもありがとう!」
隣に座っていた相方もお礼を言っていた。
とっさにお礼を言ったが、何をくれたのか、正直よくわからなかった。
ただ、運転手のおじさんが表情を隠すように「いいからいいから」というような様子をし、
また、なんとなく後ろの座席にいる他のお客さん達にはナイショ、
あんただけに、というような感じもあって、
おおっぴらにバッグから出して確認するのは憚られたのだった。

徐々に私たちの車も検問ポイントに近づく。
目の前では運転手が身分証を見せていたり、車のトランクを犬が嗅ぎ回って調べたりしている。
私はふと、「ブリジット・ジョーンズの日記」の二作目を思い出した。
旅行先のタイかどこかで、知り合った青年からもらったプレゼントの中に麻薬が隠されており、
それを預かっていたブリジットは友達の代わりに逮捕されてしまうのだ。
「さっきもらったの何だろう?」
ヒョウタンのような形の、小さな、プラスチックのような質感のものだった。
中に何か入ってるんだろうか。怪しいものだったらどうしよう。
犬が嗅ぎ付けたりしないだろうか。
麻薬が出てきて「知らない。もらった。私のじゃない!」と言っても、
きっと信じてもらえないだろう。
ここは通過できても、空港のセキュリティで見つからないだろうか、
あるいは、ドイツ入国の際に咎められるんじゃないだろうか・・・?
検問と運ちゃんと後部座席の他の客。
隣にいる彼にも声をかけづらくて不安を抱えたまま、やっと空港に到着したのは、
フライト予定の一時間前。

急いでチェックインの列に並び、他の大勢の乗客予定者共々、手荷物検査、出国審査と進むうち、
微かな不安が頭の片隅に残りつつも、私はさっきもらったもののことをほとんど忘れていた。
思い出して、やっとバッグから取り出したのは、帰国して家まで帰り着いた後である。

「さっき貰ったの何だろうね…?」「カボチャだよ。」 知ってたんかい?!

それはおもちゃみたいなサイズで、ヒョウタンみたいな形で、上半身(?)が黄色い、
ちょっと不思議な姿の、でもカボチャなんだそうだ。

あの緊張感はなんだったのか…。もっとサッサと聞いておけばよかった。
疑ってごめんね、運転手のおじさん。可愛い物をありがとう!!

ヴァルナのかぼちゃ
ちょっとピンボケ。


黒海での夏休み4ー幸せの煙突おじさん

  • 2012.07.23 Monday
  • 21:40
 
ブルガリアにはまだ”煙突掃除のおじさん”たちがいて、町で出会って触れると幸運が訪れる。

・・・という記事をネットで見つけたのは、旅行出発の前々日ぐらいだったと思う。
黒いシャツに黒いズボン、黒い帽子に一風変わった黒いブラシを持っている、
という黒づくめがその容貌で、その仕事内容柄、昨今ではめっきり減ってしまったけれど、
まだわずかに生業として煙突のお掃除をして回る人たちがいるのだそうだ。へー。

そんな話が頭の片隅に残っていたからか、到着初日にホテルのワゴンバスで空港からの移動中、
信号待ちの目の前の横断歩道を行く真っ黒な人に、瞬時に目が釘付けになった。
運良く助手席に座りフロントガラス越しに町なかを観光していた私の、
目の前を右から左へ渡って行くその人は、黒いシリンダー帽子に黒いシャツ、
黒いズボンに黒い靴、脇にはホースのように柄の部分を丸めた黒いブラシを抱えている。
「・・・煙突おじさんだー・・・。」
車の中からではもちろん触りには行けないけれど、なんだか良いことがあるような、
そんなわくわくした気持ちで嬉しくなった。
到着直後に幸運の煙突おじさんを見られるなんて!

この話をツレにしたのは、ヴァルナへ遊びに行く日だったと思う。
「ブルガリアにはまだ煙突掃除のおじさんがいてね…!」
と始めた私にあっさりと、「ドイツにもいるよ。」 え?!そうなの?!
もう滅多に見かけないけれど、確かにまだそれを職業としている人たちがいるのだそうで、
やはり「幸運を呼ぶ」と言われているとか。
確かに、ヨーロッパの昔の石造りの家を思うと、そんな「煙突掃除屋さん」は、
ブルガリアやドイツだけでなく、他の国にも普通に存在してまだ残っているのかもしれない。

とにかく私は目撃した事が嬉しくて仕方なかったのだが、ホテルの断水のタイミングや
帰国前日の南部の町のテロ事件(出発の空港近辺で検問が激しかった!)を思うと、
やっぱり私たちは幸運をもらったんじゃないかと、今でも思うわけです。

黒海での夏休み3−ヴァルナの町へ

  • 2012.07.23 Monday
  • 16:15

一週間の滞在中、一日をヴァルナで過ごした。私たちはここヴァルナの空港に降り立ち、
宿泊先のSveti Konstantinは車で20分余りの距離にある。
商店が営業しているだろう月曜日にお出かけしようと決めていたのだが、
たまたま出発間際に断水が発覚。
朝は普通に出ていた水が、全館一斉、夕方7時まで直らないという。
この暑い最中にシャワーも使えずトイレも流れずではたまらない、
一日遠めの外出はちょうどよいところだった。

実はこの町の名前は、バレエの国際コンクールの名称として知っていたのだけれど、
たまたまちょっと前に、「で、どこ?」 
と思って調べたら黒海沿岸で真夏で気温も高く、休暇にはちょうど良さそうだったので
選んだのだった。
そうしたら、折よく今年は二年に一度のそのコンクールの開催年であり、
私たちの滞在中に始まったところだった。
相方には 「ん?いや〜、別にバレエが観たいわけじゃないよ?」 と言ってはいたが、
開催会場である野外劇場には興味があったので、街歩きの始点としてまずここを訪れた。

ヴァルナ野外劇場1外観


残念ながら解放されてはおらず(当たり前か)、
入口の門格子越しに中を覗いただけだけど、
炎天下の中、舞台で練習する人たちが垣間見えて、十分満足。

ヴァルナ野外劇場2練習中


大きな公園の端にあるこの野外劇場前からスタートして、極力日陰を選びながら、
ゆっくりと小さな町の繁華街を歩く。
まだまだ発展・復興途上であることがすぐに見て取れ、
EU加盟から5年余りのこの国の経済を思い、
共産主義の遺産に違いない各所の建物を眺めながら、
最新のショッピングモールで午後の日差しを避けて、一日を過ごした。

生神女就寝大聖堂はブルガリア正教会の大聖堂。
ヴァルナ生神女就寝大聖堂

こういう建物はロシアでもよく見た。
ヴァルナの建物1

ヴァルナの正規タクシーは黄色やベージュの車で、必ず料金体系を窓に掲示している。
にもかかわらず、行き先を告げて概算を尋ねると3倍4倍にふっかけてくるし、
バス停でバス待ちしている観光客にも、適当な料金でもって営業かけてくる。
(どれだけ遠いか、行き先さえ答えてないのに、「一人5レヴァ、二人で10でどうだ?」
と食い下がる運ちゃんに、相方が後々までウケていた。)
一旦断って観光案内所でおよその見当を教えてもらったのは大正解。

夕方ホテルに戻ると、予定より少し早めに作業が終了して、断水は直っていた。

黒海での夏休み2−肉と魚介とチーズとイモと

  • 2012.07.23 Monday
  • 15:20

私はあまりグルメな方ではない。
わりと食べ物に無頓着というか、食べたことないものは多いが嫌いなものはほとんどないし、
大概なんでも「おいしい」と言ってありがたく食べるので、海外でも寮生活でも、
食べ物に困ったことがない。
欧州はもちろん、ロシアへ行った時もアフリカ(ボツワナ)へ行った時もブラジルへ行った時も、
ジェイミー・オリバー登場前の90年代イギリスのごはんさえ、
「おいしかったよ?♪」 と言って帰ってきたのは自慢でさえある。
(ロシア旅行その他については、ウェブサイト「ロングホリデーのスキ間」ご参照ください♪)

そんな私が 「・・・まずい・・・。」 と言って同調し憚らなかったのだから、
私たちのホテルの朝食の不味さは絶対だと思う。
何がどう、ということに興味がある方は個別にお問い合わせいただくとして、とにかく、
比較的あちこち旅行してる私にも記録的に不味い朝ごはんの毎日だった。

一方で、外でいただく食事は基本的にとてもおいしかった。
ホテル近辺の海浜エリアでは実際のところどこのレストランも同じようなメニュー揃えで、
特に何料理屋というのがなく、サラダ類、肉類のグリル、魚のグリルやフライ、貝類、
地元ブルガリア料理のほか、観光客対応なのだろう、パスタやピザも大概どこでも扱っていた。
一度だけお昼に食べたピザはいまひとつだったけれど、グリルや魚介料理はどこでも満足。
そして安い。期待通り、あるいはそれを下回る外食費に、
「ああ、二食付きプランにしなくてホンッッッット良かった〜〜!!」と救われた思いであった。

ブルガリアといえばヨーグルトが有名だけれど、私はこれをホテルの朝食でしか食べなかった。
さすがにヨーグルト自体はおいしいけれど、想像通りに少々酸味の強いヨーグルト。
ジャムやシリアルと一緒にいただけばなかなかおいしかったが。

面白かったのはチーズ。地元料理はグラタンみたいな料理が多かったのだけれど、
ピザやそれらにかけられているチーズは「イエロー・チーズ」と明記されているのだ。
「イエロー」じゃない普通のチーズ、ブルガリアのチーズは、ヨーグルトのように真っ白で、
カッテージチーズの類らしかった。そして、サラダにだだっとかけられていたり、
パンケーキのようなものに混ぜて焼かれていたりしているそれは、
さらっとしていて若干酸味のあるような、どことなくヨーグルトに近い感じがした。

お昼ご飯にいただいたムサカ。
ひき肉とつぶしたジャガイモをメインにグラタンのようにしてある。
このような陶器に焼かれて出てくるお料理が多かった。
ブルガリア料理1ムサカ



肉類のグリル。一人には多すぎ・・・。トマトやマッシュルームもよく使われている。

ブルガリア料理2グリル


黒海産のムール貝♪ めたくたおいしかった〜!

ブルガリア料理3ムール貝

ホテル近くの船のレストランは、海に面して高さもあって、
夕刻には絶景を目の前に食事ができそうだったが、少々予算が合わず断念。
ブルガリア 船のレストラン

・・・でもとりあえず、次回これぐらいの地域に行くときは、
もう少し良いホテルでおいしい朝ごはんを食べたいね、ということで連日合意。

黒海での夏休み1ーブルガリアへ行ってきたのだ。

  • 2012.07.22 Sunday
  • 02:34

木曜日から木曜日までの一週間、ブルガリアの黒海沿岸に行ってきました。フライトとホテル、ホテルー空港間の送迎込みのパッケージ。
自分で計画した旅行とはいえ、まさか人生で黒海まで見る事があるとは思いも寄らなかった。
モスクワのクレムリン行った時も、フィンランドのカレリア地方行った時も、ブラジル・アルゼンチンでイグアスの滝見た時も思ったけど。

この辺り一帯はヨーロッパでは有名なホリデービーチらしく、行きの飛行機に乗った瞬間から「Let's Holiday!」っていうよな若者たち満載。
それでも、私たちが行ったのはドイツ人に人気のGolden Sandsより少し南の、Sveti Konstantinという地域だったので、意外なほど周囲にドイツ人が見当たらず、相方は少々拍子抜け。
パーティ・マイルを避けたとはいえ、とても静かな夜を過ごせました。
その代わりこの辺りはロシア人観光客だらけ!ブルガリア語はキリル文字を使ってるし、距離的にも環境的にも来易いのでしょう。周囲から聞こえて来るのはほとんどロシア語で、私としてはもうちょっと予習して自分でも使ってみればよかった!と反省。

計画の遅さが災いして、予約した三ツ星ホテルは次回への反省を促すに充分な宿。
受付のおばさん達は比較的親切で愛想の良い人もいたけれど(そしてドイツ語で一切困らなかったけれど)、連日30度を越えようという日々にエアコンなしの部屋はキツい。
建物は古く、なんとなく汚く、床がゆがんでいて、館内の備品も簡素極まりなし。
極めつけはいきなりの全館断水ほぼ一日。何より、朝食が記録的に不味かった…。
唯一の救いは、部屋が海側で黒海を眺められたこと。
小さいけれどバルコニーもあって、陽射しが入って来るのもお昼過ぎまでだけなので(ブルガリアは黒海の西側なので、海向きの部屋は東向き)、夕方から日が落ちるまでゆったりと海を眺めることができたこと。

寒い町から飛び出して、夏に行きたい、海に行きたいと向かった先は、まだまだ発展途上だけど、
海は綺麗で浜も白く、適度に緑の木々茂る公園もあり、(ホテルの外の)食事も大概おいしく、
海とプールと読書と散歩でのんびりしてきました。

初・黒海


二度目に浜辺に行った日は風があって波も少し大きく、海に入っても楽しかった!

黒海2

黒海3

calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< March 2017 >>

access

ブログパーツUL5

time

Germany

profile photo

YUKI profilephoto

notes

このサイトへのリンクは大歓迎ですが、文章・写真などを無断で転載・転用することはご遠慮ください。
リンクの際は面倒でもご一報いただけると喜びます。
また、宣伝広告やスパム、不適切と看做したコメントは削除することがありますので、ご了承ください。

ご意見・ご感想・ご質問 および客観的基本情報など(の訂正)はこちら↓まで
e-mail: longholi[at]em.oops.jp

Copyright (C) 2016 YUKI, All rights reserved.

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

recommend

永い夜
永い夜 (JUGEMレビュー »)
ミシェル・レミュー

recommend

recommend

英語のソーシャルスキル
英語のソーシャルスキル (JUGEMレビュー »)
鶴田 庸子,ポール ロシター,ティム クルトン

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM